先日美容室に行ったときの、美容師さんとの何気ない会話。
「オーケストラの指揮者って、誰が振っても一緒なんじゃない?」と。
んー。
実際演奏している側からすると、答えは 「NO」。
振る人によって、これでもか!ってくらい全然違います。
それを実感したのは高校の吹奏楽部員だった17才の頃。
都響から有名な指導者が来られたときでした。
顧問の先生が振る時には出ない音が…
出たんです。
衝撃でした。
音を間違えずに演奏するのは当たり前。
暗譜するのも当然。
それが前提で、どんな音で吹くか、どんなイメージで吹くか。
こっからが大切なんです。
作曲者の生い立ち、いつの時代に作られた?その当時の状況は?
曲のイメージは?戦争?平和?愛?何…??
すべて頭にインプットした上で、音を出す。
指揮者は演奏者の中にある「表現」を引き出すんです。
奏者に足りない所は、言葉や、身振り手振り、表情でイメージを伝えて。
世界一難しい楽器は間違いなく「オーケストラ」だと思いました。
それを演奏する指揮者はやっぱりスゴイ。
楽器の管の中に息を真っ直ぐ入れ、頭の上から柔らかく出したその音は
ホールの一番後ろに座る人まで優しく届く。
曲にもよりますが、
私はいつもそんなイメージで演奏できたらと思っていました。
今となっては、なかなかそこまで追求して音楽と向き合える時間が
無いのが現状ですが…
高校生の演奏を聴いていて、音に埋もれる楽しさ、
また味わいたくなってきました。
しかし今は聴く側でガマン!
来月、胎教によいクラシックの演奏会があるので、
耳で、肌で、芸術の秋を楽しみたいと思います。