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マエストロ

2010年9月10日

先日美容室に行ったときの、美容師さんとの何気ない会話。
「オーケストラの指揮者って、誰が振っても一緒なんじゃない?」と。

んー。
実際演奏している側からすると、答えは 「NO」。
振る人によって、これでもか!ってくらい全然違います。

それを実感したのは高校の吹奏楽部員だった17才の頃。
都響から有名な指導者が来られたときでした。
顧問の先生が振る時には出ない音が… 
出たんです。

衝撃でした。

音を間違えずに演奏するのは当たり前。
暗譜するのも当然。
それが前提で、どんな音で吹くか、どんなイメージで吹くか。
こっからが大切なんです。

作曲者の生い立ち、いつの時代に作られた?その当時の状況は?
曲のイメージは?戦争?平和?愛?何…??
すべて頭にインプットした上で、音を出す。

指揮者は演奏者の中にある「表現」を引き出すんです。
奏者に足りない所は、言葉や、身振り手振り、表情でイメージを伝えて。
images
世界一難しい楽器は間違いなく「オーケストラ」だと思いました。
それを演奏する指揮者はやっぱりスゴイ。

楽器の管の中に息を真っ直ぐ入れ、頭の上から柔らかく出したその音は
ホールの一番後ろに座る人まで優しく届く。

曲にもよりますが、
私はいつもそんなイメージで演奏できたらと思っていました。

今となっては、なかなかそこまで追求して音楽と向き合える時間が
無いのが現状ですが…

高校生の演奏を聴いていて、音に埋もれる楽しさ、
また味わいたくなってきました。

しかし今は聴く側でガマン!
来月、胎教によいクラシックの演奏会があるので、
耳で、肌で、芸術の秋を楽しみたいと思います。

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